今年9月に私は満60歳になり、還暦を迎えました。1年に1回の当院の開院日に合わせていろいろと振り返って感じたことのいくつかを書き綴っていますが、今回の院長のつぶやきは開業前から本日までの13年を振り返ってみようと思います。
2011年11月9日に当院は開院しました。私は元々心臓カテーテル検査、治療が専門で、大学院修了後、県内の複数の病院に勤務し、国内で有数の心臓カテーテル治療施設である豊橋ハートセンターで2年間循環器内科医長としてカテーテル治療の技術を研鑽した後2004年に島根大学病院循環器内科に戻り、副診療科長、心臓カテーテル治療部門の責任者として心臓病の治療、また大学教員として学生、研修医の教育、指導に従事しました。当時一般病院や大学病院では、心臓疾患の重症の患者さんを担当することが多く、朝家を出て病院に行くと、次はいつ家に帰るかわからないような生活を送っていましたが、元気に退院して社会復帰して行かれる患者さんを見ると疲れも吹っ飛び、忙しくも充実した日々を送っていました。その頃は、この先もずっと心臓カテーテル治療に携わって行こうと思っていました。
自分が還暦になると、自分の3人の子供たちも当然大きくなりました。長男は最初は別の仕事をしていましたが、結婚して小さい子供もいるなかで看護専門学校に入り直し、国家試験にも合格し看護師になりました。市内の総合病院に勤務した後、今年の1月から当院で一緒に働いてくれています。職場ではありますが今までこんなに長い時間を長男と過ごしたことはなかったので、父子の時間を取り戻すことができるような気がしてうれしく思っています。長女は東京の大学を卒業し2年間東京で過ごしたあと出雲に帰り事務職として働いています。次女が大学に進学してからの2年間は私と家内と犬2匹の「二人と2匹暮らし」でしたが、長女が帰って来てくれて家族3人になると(犬も1匹増えたこともありますが)とても賑やかになりました。長女が結婚して家を出るまではこの家族3人の時間をしっかり楽しみたいと思います。次女は今年3月に京都の大学を卒業し、現在は大阪で幼児教諭として働いています。働き始めて1か月くらいしたころ、元気にしているかとメールを送ったところ、「働くってこんなに大変なんだね。お父さん、働いて育ててくれてありがとう。」という返事が来て涙が出ました。毎日遅くまで仕事を頑張っているようですが、健康には気をつけて身体は休めながら、気持ちは前向きに無理せず頑張ってほしいです。こうして子供たちが無事成人し社会人になったことに本当に感謝しています。
本日の診療を終えて、自室で開院13年を振り返りながら思いつくままに文章を書いたため、とても長く、いつも通りまとまりなくとりとめのない「院長のつぶやき」になってしまいました。いつも申し上げますが、これを読まれてご不快に感じられる方もいらっしゃると思いますがどうかお許しくださいますようお願いいたします。
還暦に向けて自分自身で何かしようと思い、実は昨年の11月から1年かけて17Kg減量しました。患者さんにも半年くらい前から気づいていただくようになり、どうやって痩せたのかと聞かれるようになりました。まだまだ適正体重には遠いですが、これからもできるだけ長く元気で診療できるよう気をつけて生活していこうと思っています。
これからもスタッフと協力して更に誠実に真摯に診療していく所存です。
2024年11月9日 院長 佐藤 秀俊
今回も1年に1回の当院の開院日に合わせて、いろいろと振り返って感じたことのいくつかを書き綴っていきたいと思います。
70歳台の男性の患者さんで、糖尿病、高血圧症で当院に通院しておられる方です。甘党でなかなか間食が我慢できず、糖尿病の検査結果が以前よりも悪くなられました。何とか間食を控える方法がないかと話していて、
@家におやつが置いてあるとついつい食べてしまうので、なるべく買い置きしないようにしましょう。
A空腹のときに買い物に行くのは買い過ぎてしまうので食後に買い物に行きましょう。
B間食したくなったら私の顔と検査結果と今日の話を思い出してください。
と話しました。86歳の男性の患者さんです。この方は18年前、68歳の時に急性心筋梗塞で医大に救急搬送されました。当時私は豊橋ハートセンターから心臓カテーテル治療の責任者として医大病院に帰ってきたばかりの時でした。すぐに心臓カテーテル検査を施行し、心筋梗塞の原因となっている冠動脈が閉塞している場所の血栓を吸引しステントという金属製の輪っかを入れて拡げて無事治療は終了しました。
70歳台の男性の患者さんで、高血圧症で通院中の方です。
60歳台の男性の方ですが、この方自身は患者さんではありません。90歳の二人の女性の方の診察に付き添って来られます。その二人の女性はその方の実のお母さんと奥さんのお母さんです。診察は当然一人ずつになりますが、その方はそれぞれきちんと手をつないで一人ずつに付き添って診察室に入られます。
小学3年生と4年生の男の子の兄弟で、風邪をひいたときなどに受診されます。
お母さんと12歳の男の子が風邪で受診されました。
来年は私も60歳、還暦です。来年2月に幼馴染の同級生と還暦の神事と同窓会があります。
本日の診療を終えて、自室で開院12周年を迎えての1年を振り返りながら思いつくままに文章を書いたため、いつも通りまとまりなくとりとめのない「院長のつぶやき」になってしまいました。いつも申し上げますが、これを読まれてご不快に感じられる方もいらっしゃると思いますが、どうかお許しくださいますようお願いいたします。
これからもスタッフと協力して更に誠実に真摯に診療していく所存です。
2023年11月9日 院長 佐藤 秀俊
今年も新型コロナウイルス感染症がなかなか収束の兆しを見せず、重症者や入院が必要な感染者数はデルタ株が蔓延した時期よりは少なくなってきておりますが、相変わらず島根県でも数百人の感染者数が報告されております。ただ種々のイベントや学校行事などが感染対策に注意をしながら開催されるようになってきており、何とか元の形に近い生活が送れるようになる日が来ることを期待しながら毎日を過ごしております。
今回も1年に1回の当院の開院日に合わせていろいろと振り返って感じたことのいくつかを書き綴っていきたいと思います。
78歳の男性で奥出雲から当院に通院しておられる方です。以前もこの院長のつぶやきに登場していただきましたが、私が大学病院時代に開業するまでの6年間毎週金曜日に奥出雲病院に外来診療のため行っておりました。その時に診させていただき、私が開業するのでもう来なくなることを説明していると、「出雲なんて近いもんだ、よく行くから診察してもらいに行くわ、大丈夫!」と言って当院に受診していただくようになりました。冬になると、「今日は40cm雪が積もっとったわ。」「今日は道が凍っとったわ。」など奥出雲の道路状況をお聞きして運転を心配しましたが、「それは慣れとるから大丈夫、来れるけん。」と言われ受診していただいていました。
97歳の女性で、心臓病で定期的に通院しておられる方です。当院に初診で来られたころは動くと息切れなどの症状がありましたが、その後の内服治療で日常生活での症状もなくなり、家庭で洗濯や掃除などもできるようになったと喜んでおられました。その方には同居する男の子二人の保育園児の曾孫さんがおられ、一緒に遊ぼうと言われるが苦しくなるから出来ないと断っていると言われました。しばらくして、先日曾孫さんから遊ぼうと誘われ、ドッジボールをしたあと鬼ごっこもしたが苦しくならず曾孫さんたちも喜んでいたと嬉しそうに話されました。まさか誘われていた遊びがドッジボールだったとはとても驚き、そのあと鬼ごっこまでされたことに感心しました。毎回受診されるたびにもうそろそろお迎えが来てもいいと思っているんですが、、、と言われますが97歳で心臓病があっても曾孫さんたちとそこまでできるとは、曾孫さんたちの成長を楽しみにまだまだお元気で長生きされることと思います。
78歳の女性の方で、高血圧などで通院しておられる方です。待ち時間が長くなってしまい、診察室にお呼びしたときにお待たせしたことをお詫びすると、顔を紅潮させ少し興奮気味に「今日○○さん、来とられるでしょう。あの人は高校の同級生で卒業以来60年ぶりに会ったわ。どこか面影があって苗字は違ったけど名前がその人だと思って声を掛けたらやっぱりそうだったから、ずーっと話しとって待ち時間が短いくらいだったよ。」と言われました。旧友との60年ぶりの再会がうちのクリニックの待合室であったことにお礼を言っていただき恐縮しましたが、待ち時間が長かったことは再度お詫びしました。
毎日通勤の自家用車の中でラジオを聞いています。先日CMでしたが、父の日の作文が朗読されました。何気なく聞いていると最初はお父さんとしたいことなどの話でしたが、そのあと「父の日はお父さんのことを忘れないように泣きたい。将来はお父さんが亡くなった病気を治す医者になりたい。」というものでした。短い文章でしたが、胸をギューッとつかまれるような感情になりました。数日後、新聞を見ていたら広告欄にその作文が写真で掲載されていて、10歳の男の子のあしなが育英会に寄稿された作文ということでした。早速それを切り抜いてとっておきました。若くして亡くなられたお父さんはさぞかし無念だったことでしょう。しかしあとに残されたまだ10歳の息子さんがこんなに立派な志を持って将来医師になることを目指しているということをそのお父さんが聞いておられたらとても喜ばれるのではないかと思いました。そしてこのお子さんはきっと熱意がある優しい医師になられるだろうと思いました。もし私が弱気になったときにはまたこの作文を読ませていただこうと思います。
本日の診療を終えて、自室で開院11周年を迎えての1年を振り返りながら思いつくままに文章を書いたため、いつも通りまとまりなくとりとめのない「院長のつぶやき」になってしまいました。いつも申し上げますが、これを読まれてご不快に感じられる方もいらっしゃると思いますがどうかお許しくださいますようお願いいたします。
これからもスタッフと協力して更に誠実に真摯に診療していく所存です。
2022年11月9日 院長 佐藤 秀俊
今年も昨年来の新型コロナウイルス感染症がなかなか収束の兆しを見せず、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が国内各所に発動され、種々のイベントや学校行事などが中止あるいは延期となりました。その中で賛否両論ありながらも開催された東京オリンピックパラリンピックは、いろいろと問題点の指摘もありましたが、アスリートが真剣に競技に立ち向かう姿を見ると、その精神力の強さにやはり感動し勇気づけられました。前回の東京オリンピックは私が生まれた昭和39年に開催され、そこから日本の高度成長がさらにスピードアップしたといわれており、今回のオリンピックパラリンピックは新型コロナウイルス感染症を乗り越える大会になったと将来いわれるようになることを願っているところです。今までの歴史の中で人類がウイルス感染症に負けたことはなく、必ず今回の新型コロナウイルス感染症にも打ち勝つことができると思っており、感染症の最前線で医療に携わっておられる医療関係者の方々の足元にも及びませんが、医療人として微力ながら何か貢献できればと思っております。
今回も1年に1回の当院の開院日に合わせていろいろと振り返って感じたことのいくつかを書き綴っていきたいと思います。
93歳の女性で、心臓病などで定期的に通院しておられる方です。
91歳の男性の方で、高血圧や不整脈などで通院しておられます。
87歳の女性の方で、高血圧、狭心症、糖尿病で通院しておられます。
60代後半の男性で高血圧症で通院中の方です。
思い返すと今回もたくさんの患者さんとのエピソードがあり、とても記載しきれないところですが、私の心の中には忘れることができないたくさんの感動が日々の診療の中でどんどん増えていきます。開院以来の10年はあっという間でしたが、たくさんの患者さんとの出会いがあり、そのたびに笑ったり涙を流したりと私にとってかけがえのない10年でした。 あっという間とはいいながらも周りを見れば、開院当初高校生だった女性が赤ちゃんを連れたお母さんになったり、小学生だった男の子が声変わりしていたり、社会人になっていたり、保育園児で「はい、先生に。」と言って笑顔で三角形に切った折り紙をくれた子が、今度中学生になると聞いたりするとやはり10年経っていたのだと改めて感じます。 私事でも、孫が生まれ、開院時に中学生だった長女は大学を卒業し、開院前の内覧会で記念品配りを手伝ってくれた小学生だった次女が大学生になって成人式を迎えるといった10年間が確かに経過していました。
2011年11月9日水曜日の朝、誰も来ておられなかったらどうしようと不安な気持ちで診療前にそっと待合室を見て、5名の患者さんが座っておられるのを見たときのうれしかった気持ちは今でも忘れません。その開院日の気持ちをこれからも忘れず今後も20年目、30年目と私が必要とされる限り全力を尽くし頑張っていこうとまた気持ちを引き締めました。
本日の診療を終えて、自室で開院10周年を迎えての1年を振り返りながら思いつくままに文章を書いたため、いつも通りまとまりなくとりとめのない「院長のつぶやき」になってしまいました。いつも申し上げますが、これを読まれてご不快に感じられる方もいらっしゃると思いますがどうかお許しくださいますようお願いいたします。
これからもスタッフと協力して更に誠実に真摯に診療していく所存です。
2021年11月9日 院長 佐藤 秀俊
今年は新型コロナウイルス感染症が全世界に蔓延し医療も経済も混乱し、東京オリンピックは延期、甲子園大会など学生のイベントも中止となるなど未曾有の年となりました。その中で感染症の最前線で医療に携わっておられる医療関係者の方々、何とか経済を復興させようと頑張っておられる方々、目標としていた最後の大会がなくなっても今後に向かって前向きに頑張っておられる学生の方々などテレビなどの報道で見るたびに本当に頭が下がり、目頭が熱くなります。そういった皆様に衷心より敬意を表します。 またこのような状況の中でも当院に受診してくださる患者さんに本当に感謝いたします。ありがとうございます。
今回も1年に1回の当院の開院日に合わせていろいろと振り返って感じたことのいくつかを書き綴っていきたいと思います。
80歳台の女性で、定期的に通院しておられる方です。その方が定期の診察の時に胸をさすりながら「最近夜寝ているとゾウに踏まれる夢を見て苦しくて目が覚める。」と言われました。ゾウに踏まれるとはよほど苦しいことだと思い、狭心症あるいは不整脈といった心臓疾患が考えられたので、まずは24時間の心電図を行いました。その結果「心室性期外収縮」という不整脈が「ゾウに踏まれる」症状に一致して頻発していました。その不整脈に対して治療を始めたところ、次の受診のときには笑顔で「もうゾウに踏まれることは無くなったよ。」と言われました。
80歳台の女性の方で、私が大学病院時代から15年くらい診させていただいている患者さんです。市内在住ですが、遠方のためいつもご主人の車で来院しておられました。ご主人がご高齢となられたため運転免許証を返納されることになりました。ぶどうを作ったりしてお元気ではありますが、自家用車以外では来院は難しく、また往診に行くほどお体が不自由な方でもありませんので、歩いて通える近くの診療所に紹介してほしいと言われました。紹介状を作成し、「長い間僕のところに診察に来てくださってありがとうございました。どうかこれからもお元気で、長生きしてくださいね。」と言って握手をしました。その方は両手で私の手を握り返して「本当は死ぬまでここに来たかったですけどね。長い間ありがとうございました。」と言って泣きながら診察室から出られました。普段ご主人の亭主関白の話や、自分の風呂上がりのおなかを見たご主人に「横綱みたいな腹だな!」って言われたなど、円満なご夫婦のお話を笑いながらされる方でしたので、私も感謝の言葉とともに涙が出ました。どうかいつまでもご夫婦ご一緒にお元気でお過ごしください。
開業当初から来ていただいている70歳台の3人の男性がおられます。3人とも出雲市外の方でそれぞれ面識はありませんでした。1人の方は大東町の方で私が大学病院時代から診させていただいています。別の1人の方は飯南の方でこの方も私が大学病院時代から診させていただいています。もう1人の方は奥出雲町の方で、私は大学病院時代に診療応援として6年間毎週金曜日に奥出雲病院に外来診療に行っておりましたが、開業するため奥出雲病院にも行くことができなくなることを最終診察日にお話をしたら「出雲くらい近いから行く。」と言ってわざわざ当院に来てくださいました。
80歳台の女性の患者さんです。動悸と動いたときに息切れがするとのことで受診されました。問診、診察、心電図やエコーなどの検査をして心臓弁膜症と不整脈があり軽い心不全の状態でした。私の説明を聞きながら苦しいはずなのににこにこしながら私の顔を見ておられました。説明が終わり「では薬を出しますね。」と言ったら、「先生のお母さんと友達でしたよ。むかし先生の家に行ってお母さんとお茶を飲みながら話をしていたら、当時大学5年生だった先生が帰ってこられて挨拶されたので、将来私が病気になったら見てくださいねって言ったら、任しといてください!って言われたから今日来ましたよ。」と言われました。30数年前なので申し訳ないことに覚えていませんでしたが、それを約束と思って来てくださったなんて、本当にありがたいことです。
本日の診療を終えて、自室で開院9周年を迎えての1年を振り返りながら思いつくままに文章を書いたため、いつも通りまとまりなくとりとめのない「院長のつぶやき」になってしまいました。いつも申し上げますが、これを読まれてご不快に感じられる方もいらっしゃると思いますがどうかお許しくださいますようお願いいたします。
10年目もスタッフと協力して更に誠実に真摯に診療していく所存です。
2020年11月9日 院長 佐藤 秀俊
2019年11月9日 院長 佐藤 秀俊
2018年11月9日 院長 佐藤 秀俊
2017年11月9日 院長 佐藤 秀俊
2016年11月9日 院長 佐藤 秀俊
2015年11月9日 院長 佐藤 秀俊
2014年11月11日 院長 佐藤 秀俊
2013年11月9日 院長 佐藤 秀俊